結果発表

第4回 学生住宅デザインコンテスト 受賞作品

今回、全国の学生から205点の応募をいただきました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
2018年10月2日(火)に審査会が行われ、厳正な審査の結果、
以下の方々の受賞が決定いたしました。

グランプリ(1点)賞状、賞金 30万円

マチドマのある暮らし

竹内 宏輔(タケウチ・コウスケ)
名古屋大学 工学部 環境土木・建築学科 4年

久保 元広(クボ・モトヒロ)
名古屋大学 工学部 環境土木・建築学科 4年

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コンセプト

私たちは、「愛着」や「帰りたくなる」どこか心温まる路地裏空間が生活の一部となるシェアハウスを提案する。都市の中では目紛しく時が過ぎていくが、ふと息をついた時に、路の裏を覗くと誰かが歌い、誰もが声をあげて笑っている。そんな賑わいの裏がマチのドマとなり、都市の片隅に残り続ける。

受賞コメント
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この度は、グランプリに選出していただき大変光栄に思います。

ふらっと立ち寄った商店街には昼の顔と夜の顔を持っていた。

その場には木に染み込んだ匂い・汚れ、生活の証が刻まれていた。

しかし、ほとんどがシャッター街であり、純粋に建築がつくる町並みとその場のヒトの思いを汲み取りたいと思い提案に至った。

グランプリ作品講評

手塚貴晴

気候と木造の関係を文化的側面から解いた秀作である。原型の大切さを問い直している。

粕谷淳司

木造の架構が持つ柔軟な空間性を活かし、人々の集う小さな路地裏を作り出す提案です。

黒石いずみ

木造っていいね!と思わせる表現の作品が見られ、新しい建築的思考の可能性を感じました。

準グランプリ(1点)賞状、賞金 15万円

100年の塒(ねぐら)

田中 翔太(タナカ・ショウタ)
京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士2年

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コンセプト

コロンビアに古い詩がある。「家に入ることは大地に潜ることであり、屋根に登ることは天にのぼることである」この詩の豊かさは100年経ったとしても色褪せないだろう。そんな豊かさのある家を考えてみた。遠くまで見渡せる丘や、身を潜めるための窪んだ場所など、私たちが根源的に愛着を覚える空間を有している。人間という動物のための巣のような家。

受賞コメント
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人間には動物的に愛着を覚える空間があって、それは100年経っても変わらないのではないだろうか。そんな考えから生まれたプロジェクトです。建築を構成する三角ボリュームと回廊の関係は、動物が塒の周りにナワバリを張るようなイメージになぞらえることができます。

準グランプリ作品講評

手塚貴晴

極めて完成度の高い作品である。二重になった平面構成は、木造独特の中間領域を作っている。

HINOKIYA賞(1点)賞状、賞金 10万円

♯ユニット

兵頭 周作(ヒョウドウ・シュウサク)
広島大学大学院 工学研究科建築学専攻 博士課程前期 1年

梶川 大介(カジカワ・ダイスケ)
広島大学大学院 工学研究科建築学専攻 博士課程前期 1年

堀内 遥平(ホリウチ・ヨウヘイ)
広島大学大学院 工学研究科建築学専攻 博士課程前期 1年

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コンセプト

現在日本は、住宅を大量生産する工業化社会、情報化社会を経て循環型社会に差し掛かろうとしている。

今回提案する住宅はそんな循環型社会にふさわしい木造によるユニット住宅である。

このユニットは取り外し可能な角材を並べて汲んで構成されている。石造や鉄骨造のような半永久的に続く建物ではなく、木造によって循環的に続く住宅は日本的であり、この住宅では使われた材やユニット単位で循環することで100年木造住宅を実現している。

さらに、100年木造住宅の循環に最も必要なのは「愛着」である。

100年木造住宅に必要な要素である「愛着」を実現するための道具としてこの木造ユニット住宅は存在する。

受賞コメント
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私たちは人々の生活や建築の生産過程に着目しました。木材の循環による新たな100年木造住宅を提案しました。私たちはいただいた賞金で工具をフリマアプリで購入し、DIYします。

優秀賞(3点)賞状、賞金 5万円

四季と暮らす家

片桐 彩(カタギリ・サイ)
東北大学大学院 工学研究科 都市・建築学専攻 修士1年

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コンセプト

家の外、町に出れば楽しいことがあふれる時代
春は桜の名所でわいわい楽しみ
夏はビアガーデンに海、プール
秋は音楽を聴きに行って
冬はスキーにイルミネーション
人に会うのも大体は外
家で過ごす時間は昔と比べてずっと短いのではないだろうか

1つの家が100年受け継がれるためには、
家で長く過ごし、家に愛着を持ち
家で人との交流が生まれることが大切であると考える

この家は、
街に出なければ感じられなくなってしまった四季を暮らしに寄りそわせ
街に出なければ生まれなくなってしまった人との関わりを生み出す

時がたち、住む人がいなくなったとしても
長い間人と四季、人と人を結び付けてきたこの家は
人々に異なる形で受け継がれるだろう

受賞コメント
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丈夫にして100年持たせるということ以外でどうしたら長く使われる住宅になるのかを考えました。そこで、少しでも家で長く過ごして季節ごとの暮らしを楽しみ、住む人や近所の人がその家に愛着を持てるような住宅を設計しました。

アマヤドリ

片山 美樹(カタヤマ・ミキ)
明治大学大学院 理工学研究科 修士1年

前芝 優也(マエシバ・ユウヤ)
東京都市大学大学院 工学研究科 建築学専攻 修士2年

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コンセプト

道、、、、、獣道、風の通り道などから連想されるものは多々ある。我々は自然と住環境のための道について考えることにした。
古来より日本家屋は自然環境を受け入れる形をとってきた。
光、風、音、香りなどを受け入れ、生活を築いてきた。しかし、大きな屋根によって雨だけは排除されてきた。
雨が降ると外に出ることが億劫になることもある。傘をさすと人との距離を感じるようになる。ならば雨を、雨の通り道をデザインすることによって人の距離感をもデザインすることができるのではないか。
我々は日本家屋に、雨を享受することで雨の通り道が建築を作るのではないかと考えた。

受賞コメント
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私たちは雨の中で居心地の良い住宅を考えました。それも雨の日が嫌いだからこそ生まれた提案だと思います。雨の日に遠のく人との距離感を少しでも近付けれることが出来たのではないかと思います。

桟の家

西岡 広登(ニシオカ・ヒロト)
大阪工業大学大学院 ロボティクス&デザイン工学研究科 ロボティクス&デザイン工学専攻 建築デザインコース 修士2年

奥村 収一(オクムラ・シュウイチ)
大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 4年

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コンセプト

100年は家にとって長いようで短い、100年も経たずに壊される建築は山ほどあり、壊される建築が増えると、村、自然そのものの風景は変わってしまう。

そこで、自然の中で生きる私たちは、自然が生きる長さとスケールを感じ、自然と共存することが必要である。

自然を整備し、住宅とし、村に還元することで山と村を紡ぐインフラとして何百年と生き続ける家を提案する。

受賞コメント
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木材自給率の低下から人と自然との関係が希薄化していると思いました。そこで、私達は林業が盛んな奈良県吉野において、木材と共生する住宅を提案します。100年以上続く住宅には、単体として存在する住宅ではなく、自然や生産のサイクルの一部に組み込まれるような住宅のあり方が必要であると考え、設計に取り組みました。

審査員特別賞(3点)賞状、賞金 3万円

1820 森にある家

溝口 芳奈(ミゾグチ・ヨシナ)
金城学院大学 生活環境学部 環境デザイン学科 4年

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コンセプト

森は成長し、変わり続ける。住宅は変わらず、変化を楽しむ。森にある家は、周りの環境に合わせて暮らし方を変える。1820mmのグリッドの延長線上に木々が並ぶのは森がさも住宅の中にまで入り込んでいるかのように感じて欲しいから。この森と暮らし続ける。

受賞コメント
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建築の力で生活の何かを変えるのではなく、森の成長の力を建築が受け止められるようなそんな受容性の高い住宅を目指しました。

大地とくらす家

釜谷 潤(カマタニ・ジュン)
東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系 修士2年

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コンセプト

かつて人はどうくつや森といった自然に住み着き、家は自然そのものであった。
自然の家は家としての役割を果たしたあとも、長いあいだ人々に愛されてきたことだろう。
そんな自然のような家を現代でもつくることは可能だろうか。
100年を超えて人々に愛され続ける大地から生まれる木造住宅の提案。

受賞コメント
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100年木造住宅というテーマから大地との関係性をデザインすることで洞窟のように何年も残る場所をつくることを考えました。具体的には、木造の特徴である屋根と基礎を再構成し、大地とつながりをもった住宅を提案しました。

式年遷住 地域に開かれる新築・解体のプロセス

赤川 英之(アカガワ・ヒデユキ)
宇都宮大学 地域デザイン科学部 建築都市デザイン学科 3年

山口 睦生(ヤマグチ・トモキ)
宇都宮大学 地域デザイン科学部 建築都市デザイン学科 3年

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コンセプト

20年毎に敷地内を遷る集合住宅。
8年に渡る住棟の「新築・解体」されるプロセスに、地域に開かれた暮らしを提案する。
この集合住宅では、30×30×330という分解可能な「格子状構造体」によって組まれる棟を8年間という長い年月をかけて解体する。
そうすることでプライベートな空間が徐々に地域へ開かれるコミュニティスペースとしての役割へ転換しその進行と同時に、「地域コミュニティの在りよう」も変化していく。
地域ぐるみで行われる遷り住むプロセスが繰り返されることで、それ自体が地域の風土を形成していく。

受賞コメント
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100年という長い年月をテーマに設計する上で歴史は重要な要素だと思いました。その中で「式年遷宮」という日本特有の文化はその地に根付く文化・風土・歴史を育んでいると考え、この習わしを本設計に組み込んでいきました。

入選(5点)賞状

継承する自邸

姉崎 匠(アネザキ・タクミ)
法政大学大学院 デザイン工学研究科 建築学専攻 修士1年

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コンセプト

親と暮らしていたこの家―。
子供の頃、親から見守られた暖かさは今度は自分が子供に与えていく―。
家族みんなが共有するLDKはトラス状に組んだ軸組を用い、木造で考えられないほどの大きな空間を生み出す。
そこには光が斜めの壁を伝い差し込み風が抜けていく。
室内に現れる軸組はあの頃、親に包まれたように家族全体を包み込む。
新たな構造のこの家が、子供に、孫に、引き継がれていく「継承する自邸」を提案します。

受賞コメント
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私は木造という構造の可能性を最大限引き出したいと思い、この住宅を設計しました。通常ではありえない大スパンを、軸組をトラス状に形成することで包み込まれるような空間を生み出しています。

柱間の家
~人を受け止め、町に応える100年木造住宅~

澤地 祐輔(サワジ・ユウスケ)
大阪大学大学院 工学研究科 地球総合工学専攻 建築工学コース 修士2年

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コンセプト

この家では構造体である柱が大らかに包括する空間に「間」をつくり、住まい手はその間に「場」を見つけ、モノを入れ込み暮らしを彩っていく。その彩りは柱に記憶として蓄積し愛着となる。
また、柱の作る「間」はボリュームからはみ出し、左右の空き長屋へと新しい価値を見出しながら伸縮することで町に対しても「場」を与えていく。

一度立った柱がそこに立ち続けることで、その周りに出来る「間」では記憶が蓄積しながら生まれる「場」と人や町の変化の中で生まれる「場」が、長い年月の中で有機的に絡まりあい、豊かな暮らしを支えていく。

受賞コメント
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この家では柱がつくる「間」が住まい手と町に「場」をつくります。
住まい手の記憶が蓄積しできる「場」と人や町の変化の中でできる「場」が、長い年月の中で絡まることで、より家への愛着が生まれると考えました。

自然に呼応する屋根の家

松本 祥幸(マツモト・ヨシユキ)
大阪工業大学大学院 工学研究科 建築・都市デザイン工学専攻 建築学コース 博士前期・修士課程1年

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コンセプト

日差しが厳しく照り付ける時、突然の雨に遭った時、人は木の下に身を寄せ時を過ごす。
幾年の時を経ようとその本質が変わることはない。
100年を超える建築とは、人に寄り添い、自然と呼応するものであると考える。
思い出や記憶、人の愛着を留めながら、大木のようにそこに建ち続ける住処を提案する。

受賞コメント
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100年を超えて建ち続ける建築を、変化する環境に呼応し自然と共生するもの、と解釈し、住むための機能性だけでなく、建築としての美しさと強度を備えた、プリミティブな住処を提案しました。

「間」に浮かび上がる時「間」

大方 利希也(オオカタ・トキヤ)
明治大学 理工学部 建築学科 4年

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コンセプト

モノとモノの関わり合い方には「間」が存在する。
柱と柱の「間=部屋」や建築と庭の「間=縁側」など、それぞれの「間」には固有の「時間」が流れる。
時「間」を近代住宅の解体・再構築を行うことによって生まれる「間」の中に内包する。住まい手の変化を許容し街に溶け込む新しい暮らしを作り出す。

受賞コメント
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100年という時の「間」を、建築言語から立ち上がる「間」として捉えることによって住宅を構築していきました。時「間」と出来上がった建築のかたちとしての「間」の結びつきが弱かったなど課題が多く残りました。

Reconnecting
「空き家とデッキでの暮らし
地方の人々が成長できる空き家デッキ」

Yaputra Brian(ヤプトラー・ブライアン)
中央工学校 建築設計科 2年

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コンセプト

地方の過疎化による、空き家問題がここ数十年でひどくなった。また、若者が移住したため、腕がある職人が減ってきて、あちこちの職場で手が足らなくなるという問題もある。

しかし、そういう問題がありながら、地方に住みたい、都会生活から逃げたいという都会の住民からの声も少なくない。地方に行く人は移住者だけではなく、国内や海外からの旅行者も多い。

地方を復活させるために、使われなくなる建物を再利用して、将来の移住者をサポートする移住者同士との交流場をつくりながら、地域の特産物と典型的な仕事を支える空き家とデッキを提案する。

別々な出身でも、別々な建物に住んでいても、皆はデッキに繋がれ、一緒に暮らしてほしい。
移住者と地域の人々が地域に農業や漁業や林業のような特徴を生かせながら、デッキとともに成長していく。

受賞コメント
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一つの空間を長い時間、人々が寄り添い、住み慣れるような100年木造住宅ができるかを考えました。現代の空き家問題をふまえて、地方における人々のコミュニケーションの壁を無くし、更には移住者や観光客をより積極的な交流ができるような空間を計画しました。

(敬称略・順不同)

毎日新聞 第4回学生住宅デザインコンテスト

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