結果発表

第3回 学生住宅デザインコンテスト 受賞作品

今回、全国の学生から286点の応募をいただきました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
2017年9月29日(金)に審査会が行われ、厳正な審査の結果、
以下の方々の受賞が決定いたしました。

グランプリ(1点)賞状、賞金 30万円

世代をつなぐ大屋根の家
~大家と店子のぬくもり暮らし~

大脇 春(オオワキ・ハル)
神戸大学 工学部 建築学科 4年

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コンセプト

屋根裏部屋で繋がるこの家は、大家さん夫婦と、単身者2人が住む4人のシェアハウス。
一人暮らしの日常の、ちょっとした憩いの場となる屋根裏部屋。お隣さんとつながりをもつ屋根裏部屋。そして、会話が生まれる屋根裏部屋。
様々な屋根裏空間が、世代をこえたつながりを生み出していく―。
大きな木にまもられて、2本の小さな木が育っていく―。3つの家、だけどまるで一本の木のように育っていく、1つの家を提案する。

受賞コメント
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初めて都会で一人暮らしをする人々にとって、頼れる存在がいたり、忙しい生活の中でもちょっとした温もりを感じたりすることが出来る住宅を考えました。

木々が寄り添いあうように住宅全体を考え、単身者と大家さんを大屋根でつなぐようにしました。出来上がった屋根裏部屋には温室やキッチン、リビングを設けることで、週末に集まって食事をしたり、仕事終わりに少し会話をしたりと、温もり空間をシェアするシェアハウスになっています。

準グランプリ(1点)賞状、賞金 15万円

蓄変する暮らし

西村 宇央(ニシムラ・タカヒサ)
九州大学 大学院 人間環境学府 空間システム専攻 修士課程2年

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コンセプト

材の流れを拡張し、一つの住宅の中で「木」を資源として蓄え、様々な未来への変化に対応する住宅の提案

受賞コメント
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今回、工法や仕口に注目し、建てたときだけでなく、暮らしの中で変化していく需要に対して柔軟に応えてくれるような住宅を提案しました。

HINOKIYA賞(1点)賞状、賞金 10万円

格子庭の広がり

土居 和樹(ドイ・カズキ)
大阪市立大学 大学院 工学研究科 都市系専攻 修士課程1年

髙砂 篤(タカサゴ・アツシ)
大阪市立大学 大学院 工学研究科 都市系専攻 修士課程1年

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コンセプト

大きな開口部から室内に入ってくる光と風。木のサッシを通してできる陰影。木の柔らかな匂い、手ざわり。
日本の住宅は本来、木造であることで周囲から様々な環境を取り込むことのできる、そんな、木に寄り添った建築であったはずだ。
住宅が密集する現代では、室内に良い環境だけを取り込むことは難しい。
しかし、今一度木造の使い方を考えなおし、現代の住宅に日本の住宅本来の環境を取り戻す。
その手法として“格子庭”を中心とした住宅を提案する。

受賞コメント
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作品を設計する際、木材を緩衝材として私的な空間と公的な空間を緩やかに仕切ることで“木に寄り添う家”を考えました。加えて、木材で囲われた中庭が各空間に外部環境を送り込むとともに、中庭を中心として人々の営みが活性化していくような提案にしました。

優秀賞(3点)賞状、賞金 5万円

近い木と遠い木と

田中 翔太(タナカ・ショウタ)
京都工芸繊維大学 大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士課程2年

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コンセプト

私たちは、木製のアームチェアに木の温かみや木目の質感を感じ、寺院建築の木造架構に木の強さやしなやかさを感じる。木は「身体との距離」によって様々な表情を見せる素材である。そんな、木との距離感から豊かな家を考えてみる。大きな屋根に覆われた家の中に、もう一つ屋根をかけ、室内に新たなスケールの距離感を持ち込んだ。木は表情を変えながら、のびやかな空間や静謐な空間をつくり、人が住まうための質をもたらしている。

受賞コメント
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この家は自由です。子供は室内に現れた屋根を滑り台にして遊ぶかもしれないし、大人はそこに腰掛けてお酒をたしなむのかもしれない。何をしたっていいのです。ここには、木との距離感がつくる質があって、それは人が暮らすために設えられています。新たな距離感が呼び起こすのは、暮らすことの根源的な豊かさなのです。

境があいまいな家

津野 翼(ツノ・ツバサ)
新潟大学 工学部 建設学科 4年

中野 稜子(ナカノ・リョウコ)
新潟大学 工学部 建設学科 2年

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コンセプト

木に寄り添う家を私たちは、既存の林との関係を再構築した暮らしの場と考える。住宅地と林との境に建ち両方の特性を取り入れることで、自然と人工の境があいまいな住環境が広がる。内や外と断定できない空間を孕むからこそ、自然の多様性や人工の居住性を含んだ場となり、木に依存するでも支配するでもない、自然や社会と共生する住処を提案する。

受賞コメント
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今の住宅にとって自然はただのアクセントでしかありません。そこで自然の変化と居住性が一体になった家を考えました。まるで多様な生物が暮らす倒木のように、外とも内ともいえない、環境の境があいまいな、自然の移ろいと共に暮らす家を提案します。

年輪の家

小林 亮太(コバヤシ・リョウタ)
九州大学 芸術工学部 環境設計学科 3年

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コンセプト

木造は日本に最も根付いた工法である。障子や襖などのフレキシブルな建具を駆使し、生活に合わせて柔軟に居住スペースを変化させていた。しかし、近年ではnLDKの住居が基本となっており、家族構成や生活様式が変化するたびにそれに適した住宅に移らなければならない。
そこで、住み手が必要に応じて部屋に木の壁を挿入し、内部空間を更新できる住宅を提案する。

受賞コメント
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家族とともに成長し、住み手が愛着をもてる木の家を作りたいと思い、設計しました。

審査員特別賞(3点)賞状、賞金 3万円

くらしのやどり樹

十時 佑輔(トトキ・ユウスケ)
愛知工業大学 工学部 建築学科 住居デザイン専攻 4年

植原 慎也(ウエハラ・シンヤ)
愛知工業大学 工学部 建築学科 住居デザイン専攻 4年

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コンセプト

木に寄り添う“家”
木の下に寄り添うことで空間が生まれる。
しかし家となるには思い思いの暮らしをすることが必要だと考えた。
そのために大きな木の枝に過ごす人々の居場所を作ることで「木に寄り添う家」ができるのではないかと考えた。

“独立した個人”が集まる家
現在の家族は、家父長を中心にしたものではなく、独立した個人が集まり暮らしを共有して家族を構成している。

受賞コメント
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私達は、現代の家族に対して戸建て住宅のあり方が適していないと思い、プライベートを確保しながらも繋がりを感じられる住宅を考えました。木に寄り添うというプリミティブなイメージを抽象化し、スラブの配置を試行錯誤する中で、木造の可能性を再発見するとともに、寸法の収まりの重要性を再認識しました。

家を撫でる

柴薮 綾介(シバヤブ・リョウスケ)
千葉大学 大学院 工学研究科 建築都市科学専攻 建築学コース 修士課程2年

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コンセプト

家と人のキョリを0に

触れることは愛することと近いように思う。
赤ちゃんも猫も撫でたくなることは共通している。
家と人もそんな関係になれるような提案をします。

受賞コメント
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「木に寄り添う」ということは「人と木のキョリが0になること」ではないかと考えました。木に近づいて、寄りかかって、包まれて、木の肌理を感じられるようなシンプルな家を設計しました。

三角屋根の平屋/分棟の平屋

西野 雄太(ニシノ・ユウタ)
福岡大学 大学院 工学研究科 建設工学専攻 博士前期課程1年

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コンセプト

日本は木の文化という。コルビュジェがドミノシステムを考案した時も、古くから山を信仰し、心御柱や大黒柱のように「柱」を依り代にし、意味をもたせてきた日本人が、柱で床を支えることになんら驚くことはなかっただろう。

ただ、その木に親しむ心は、技術の発展とともに徐々に薄れてきているという。日本の家の寿命は約30年。スクラップアンドビルドを繰り返す文化が、果たして木の文化だと言えるのだろうか。

家族はその形を変える。年を重ね、子は親へと成長しそれぞれの家族と家を持つ。子に巣立たれた親に残された家は愛でるには少し大きくなる。やがて住み手を失った家は空き家となり、取り壊される。

家を建てると同時に家をたたむことを考える。少し大きくなった家をたたみながら、その一部を町に放ってみる。老夫婦に残された家は、スケールを新たに、愛される人と時間が増える。

最後の最後まで「住みつくすこと」ができる家を提案する。

受賞コメント
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人間が木、いわゆる自然から豊かな生活を享受するだけではなく、二者の関係性をなるべく等価にすることで、「木に寄り添う家」を実現しようと考えました。

入選(5点)賞状

私たちをとり囲む「ソレ」は
棲む手がかりだった

久保田 祐基(クボタ・ユウキ)
前橋工科大学 大学院 工学研究科 建築学専攻 博士前期課程1年

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コンセプト

あなたのすぐ近くにある「ソレ」はいつだって安心して暮らせる場所を裏で支えてくれている。

古い農家を訪れたとき、「ソレ」は生活の一部、まるで家具のように使われ、黒色に古びながらもとても豊かな表情をしていた。
しかし、よく目にする家では「ソレ」つまり木でできた柱や梁は仕上げの中で息を潜めている。

そこで「柱・梁」を生活の表に開放してみる。
そうすることで人それぞれに棲むことに対する自由で豊かな可能性がひらけてくるのではないだろうか。

受賞コメント
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私たちの暮らしは、柱や梁に取り囲まれています。
住人が家の架構を創造的に使い倒していたら、それは空間も住人も凄く「かっこいい」状況なのではないかと思いながら提案しました。

Reversible Lumber Wall
-積層間伐材を用いた別荘計画-

前田 理沙(マエダ・リサ)
名古屋大学 工学部 環境土木・建築学科 2年

板橋 佳祐(イタバシ・ケイスケ)
名古屋大学 工学部 環境土木・建築学科 2年

森田 麻友(モリタ・マユ)
名古屋大学 工学部 環境土木・建築学科 2年

大塚 洋人(オオツカ・ヒロト)
名古屋大学 大学院 環境学研究科 都市環境学専攻 建築学コース 修士課程1年

安藤 佑太(アンドウ・ユウタ)
名古屋大学 大学院 環境学研究科 都市環境学専攻 建築学コース 修士課程1年

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コンセプト

人は一本の木があるだけで、木にもたれて本を読んだり、木陰でベンチに腰掛けおしゃべりを楽しんだりすることができる。間伐材を積層して用いた壁を住宅の「幹」とし空間を2つに分離することにより、オモテの床座として木に触れ合うパブリックな空間とウラの椅子座で木の天井の下で休めるプライベートな空間を作り出す。壁、床、天井の要素の異なる座位の形式に応じて用いることにより新たな体験のできる、間伐材を余りなく用いた斜面地の別荘を提案する。

受賞コメント
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木を肌で触れたり木陰で休む状況を住宅に取り入れたいと思い、今回私たちは木を積んでいくことによって軸組ではない新しい構造体を考え、その構造体のウラとオモテにおいて様々な状況で寄りそうことを考えました。

大黒住宅に宿る

岡本 大樹(オカモト・ダイキ)
大阪工業大学 大学院 工学研究科 建築・都市デザイン工学専攻 修士課程1年

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コンセプト

寄り添うとはただ触れ合うことばかりではない。
人と人、人とものとが互いに、時間をかけてゆっくりと関係を築いていくことも寄り添うことだと考える。
住宅の中での精神的に、構造的にも寄り添う場所である「大黒柱」。
木を使い倒し愛でていくことは家族の記憶や歴史を残していき、愛着を持たれていくことにつながる。
この住宅はそんな大黒柱の持つ意味性を再解釈し家族の思い出や記憶、そんな家族を表すものを家に刻み、やがてともに年をとっていく、人と住宅とが緩やかに関係を育みます。

受賞コメント
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今回、木に寄り添うということを私なりに解釈しながら、人と建築が築いていく関係性を作り出そうと大黒柱の持つ意味的役割に着目し再定義しようと提案しました。

新芽と幹の家

木村 健(キムラ・タケル)
神戸大学 大学院 工学研究科 建築学専攻 博士前期課程1年

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コンセプト

遷宮直後の伊勢神宮は新鮮でみずみずしい美しさがあり、長い歴史を持つ法隆寺西院は重厚で味わい深い趣があります。
このように木は決して劣化せず、美しく老いていきます。このような木材の在り方は、何百年と日本人が木に寄り添い続けてきた答えなのではないでしょうか。
ここで木が老いていく様子をひとつの家族スケールに落とし込みます。家族と共に成長し、老いていく家を提案します。

受賞コメント
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古い木造建築は木材の経年変化によってその建築の歴史を推し量ることができると思います。

それを1つの家族という小さなスケールに落とし込むことはできないかと考えました。

家族の歩んだ歴史を感じ取れるような建築にしたいと思い、今回の住宅を設計しました。

時と回廊

峯田 英明(ミネタ・ヒデアキ)
日本工学院八王子専門学校 建築学科 3年

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コンセプト

木に寄り添うというテーマを考えたとき、一番身近な木として材木という答えがでた。木に触れ、心地よく過ごすのにもたれかかりやすい角度をつけた。日の光が木に反射するように隙間を作った。その日、その時間ごとに太陽の位置に合わせて過ごす位置を決められるように円形の形にした。木に反射した光は紫外線がほぼ無くなってやわらかい光になる。自分が過ごしやすい場所で壁にもたれかかりながら日を浴びてくつろげる家を考えた。デザインは巻貝と日時計をイメージした。巻貝の大きい口から入り、奥に行くほど屋根が高くなる。奥側を北にすることで手前側、奥側に光が入るようにした。1階は共用部と水回りを配置し、個室は奥側の上部にした。

受賞コメント
顔写真

もっとも人に身近な木とは木材だと考え、どこにいても木に寄り添える形を作りました。

115°という人が寄りかかりやすい角度の壁を並べ、木材を介した反射光の中でくつろげる家を提案しました。

(敬称略・順不同)

毎日新聞 第3回学生住宅デザインコンテスト

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